ビルメン4点セットと呼ばれる資格があります。第二種電気工事士、危険物取扱者乙種4類、2級ボイラー技士と並ぶ資格が第三種冷凍機械責任者です。
上位資格として第二種冷凍機械責任者、第一種冷凍機械責任者という資格がありますが、こちらは300トン未満(以上)の冷凍設備の責任者になることなどが出来ることに加え、建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)講習取得に必要な実務経験として認められています。
ビル管理士を講習で取得を目指される方は二種、一種の取得は狙い目かもしれません。そういった実状から第三種冷凍機械責任者の立ち位置はビルメンなどは資格手当や資格取得に伴う冷凍機会に関する知識の証明という形が多いのではないでしょうか。
この資格は1年に1回の試験を受験して合格することで資格を取得できます。資格の難易度としてはビルメン4点セットの中では取得しづらい資格となっており平成26年度あたりから難化傾向になってきているようです。
ただ、この資格には国家資格以外に抜け道のような方法があり第三種冷凍機械責任者の資格は国家試験以外に高圧ガス保安協会が主催する3日間の講習会に参加して後日催される検定試験に合格すると2科目の内、「保安管理技術」が免除されます。
Contents
第三種冷凍機械責任者の講習会について
申込期間 | 講習期間 | 検定日 | |
第三種冷凍機械責任者 | 平成31年5/7〜5/19 | 平成31年6/3〜6/21 | 平成31年6月30日 |
平成31年度は東京では6/10〜6/12が講習日になっているようです。
インターネット申込者 | 郵便振替申込者 |
15,700円 | 16,200円 |
郵便振替申し込みよりもインターネット申し込みの方が500円安いので、インターネット申し込みがおすすめです。
第三種冷凍機械責任者講習会の申し込みは高圧ガス保安協会のこちら
私はインターネットで申し込みを行い、使用テキストを東京都高圧ガス保安協会 に
- 「SIによる初級冷凍受験テキスト」(2,570円)
- 「冷凍関係法規集」(1,570円)
この2冊を注文し事前に用意してから講習会に臨みました。
第三種冷凍機械責任者の講習会の内容
講習会は東京では文京区の全国家電会館で行われました。講習会に参加している人数は150名程度、ほぼ満席のような状態。
9:30から講習会が開始し、1日目~2日目は保安管理技術が行われ1時間~1時間30分ごとに休憩時間が設けられるようなスケジュールでテキストを中心に講義は進められ、一部パワーポイントを用いたものでした。
講習会のポイントとしては次の4点です。
- 講義では講師が検定試験で重要項目を「アンダーラインを引いてください。」と言われるので線を引いていくこと
- 1日目、2日目は保安管理技術について「SIによるによる初級冷凍受験テキスト」を中心に講義されるのでしっかり講義を聴いておくこと
- 講義の合間の休み時間に東京都では東京都高圧ガス協会が検定試験の過去問題集を販売するので、これを購入すること
- 3日目は法令を講義するが検定試験では試験範囲外なので、余裕があれば聴いておくと法令試験で楽になること
講義では講師が検定試験で重要項目と思われる部分を「アンダーラインを引いて下さい」、「二重線でラインをを引いて下さい」とそれぞれ指示をしてくれる部分は検定試験で出る可能性が高い箇所です。
検定試験に向けて、この部分を読み込んでいくことが重要になります。とは言えテキストのほぼ全てが重要と言っても良いのでアンダーラインはほぼ全てのページに引かれていきました。
1日目と2日目の講師が違っていて講義内容にも個性があって淡々とアンダーラインを引いて解説していく1日目の講師よりも最後の1時間で重要項目をまとめていく2日目の講師の方が私には相性が良かったです。
3日目は保安管理技術以外の講義でしたが検定試験で出題されるのは保安管理技術なのでこの分野は範囲外ということで聞いてはいましたがほぼ流すような状態(ほぼ寝てました)でしたが、こんな感じで3日間の講義が終了しました。
この講習会で講義はもちろん重要なのですが、講義の合間の休憩時間で検定試験の過去問題集(東京オリジナルらしい)を購入しておくことも大事です。検定試験の過去問題はヤフオクなどでも入手可能ですがこの過去問集は検定問題の前後期6年分が掲載されています。
今回から試験問題の持ち帰りが禁止になり入手が難しくなってきたようですがこれで検定試験に向けて過去問の演習が行えると思います。
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検定試験に向けた勉強法
第三種冷凍機械責任者講習会の検定試験は講習会から1ヶ月ほどで行われます。これは1ヶ月で試験勉強をする必要があると言うことです。このためには効率の良い勉強をする必要があります。
第三種冷凍機械責任者講習会の検定試験に私が行った勉強法は、問題を解きつつ、テキストを読み込んでいくという反復と理解を繰り返していく反復学習法です。
その理由は次の3点です。
- 冷凍機械責任者試験では冷凍の仕組みの理解が必要であり、それが検定試験攻略の近道であること
- 冷凍機械責任者講習会の検定試験は国家試験と同じく問題にクセがあり、このクセに慣れる必要があること
- 他の国家試験のように過去問を暗記するだけでは冷凍機械責任者の検定試験は攻略できないこと
この検定試験の勉強に使ったテキストは「SIによる初級冷凍受験テキスト」、ナツメ社「トコトンわかりやすい!第3種冷凍機械責任者試験完全テキスト」、東京都高圧ガス保安協会「第三種冷凍機械責任者 試験問題と解説」です。
講習会の前の段階で、「トコトンわかりやすい!第3種冷凍機械責任者試験完全テキスト」をざっくりと読んで予備知識を頭に入れておくようにします。
検定試験に向けて、講習会でアンダーラインを引いた部分を中心に「SIによる初級冷凍受験テキスト」を3回読み返しました。ただし、アンダーラインを引いたところだけでは理解が出来ないので結局テキスト全般を読み込むことになりました。
また、「トコトンわかりやすい!第3種冷凍機械責任者試験完全テキスト」をしっかりと読んで冷凍の仕組みについて理解するように心がけました。
並行して講習会で購入した検定過去問集を3回反復して回していきました。検定過去問集がB5サイズで文字が小さいので老眼の私にはつらかったので、B4サイズに拡大コピーをしました。
この冷凍機械の試験問題の厄介なところは4つの選択肢のうちどの選択肢がいくつ正しいのか、どれが間違っているかを見極める必要があります。
それらをしっかりと理解するため正しい選択肢だけでなく間違っている選択肢は、どう間違っているのか分かるよう書き込みをしました。
SIによる初級冷凍受験テキスト
講習会で使用されるテキストです、このテキストを中心に講習は行われます。このテキストでアンダーラインを引いた箇所は重要ですので熟読されることをおすすめします。
また、検定試験でもこのテキストから出題されるのでよく読んでおくといいです。
ナツメ社 トコトンわかりやすい!第3種冷凍機械責任者試験完全テキスト
講習会に備えた予備知識のために購入しました。冷凍サイクルなど初学者には分かりづらい内容がイラストなどで図解され分かりやすくまとめられています。講習会の検定試験は講習から約1ヶ月で試験に臨まなければならないので、予備知識を入れるという意味では最適な一冊だと思います。
ただし、この一冊のみで検定試験に臨めるわけではなく、あくまでSIによる初級冷凍受験テキストを中心に学習すべきです。
電気書院 第3種冷凍機械責任者試験模範解答集
本来は国家試験で使用するのがおすすめのテキストですが、検定試験の過去問が入手出来なかった場合にはこの本でも対応出来ると思います。法令試験ではこの本が主力になるので前もってこの本を購入しておき、検定試験の保安管理技術対策として使用するのもおすすめできます。
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SATの第三種冷凍機械責任者講座もおすすめ!
第三種冷凍機械責任者を最短で取得したい方には、SATの「第三種冷凍機械責任者講座」もおすすめです
その理由は以下の4点です。
- テキストはカラーで合格に効率的なページ数で分かりやすく学習出来ること
- 講義DVD(動画)を見て勉強のポイントを自宅で理解しやすく学習できること
- Eラーニングシステムで学習の進捗度を確認しながら学習を進められること
- 分からないところはEラーニングシステムから質問ができること
- 原田メソッドでモチベーションをコントロールしながら学習を進めていくことができること
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第三種冷凍機械責任者の講習会の検定試験について
検定試験は講習会と会場は同じく東京湯島の全国家電会館で行われました。検定試験は問題用紙が持ち帰り不可になったようです。
試験の翌日15時から試験問題と解答が発表になりましたが、自分の解答がどうだったか覚えておかないと合格発表まで震えて眠ることになりますので注意が必要です。
計算機のレコード機能を使って解答を記録するのは不正になりますので、大人しく自分の頭で覚えて会場から出たらメモするようにしましょう。
試験内容は講師が説明したアンダーライン部分から出題されました。やはり講習内容が重要だなと実感しました。
第三種冷凍機械責任者講習会の検定試験の合格率と難易度
第三種冷凍機械責任者講習会の検定試験の合格率は公開されていません。
平成30年度第2回(平成31年3月3日)の検定試験の合格者の一覧表から合格率をまとめてみました。
全国平均での合格率が60.6%になりました、この数字が高いか低いかの判断は難しいですが高い講習会費を支払ってなおかつ講習を受けてこの合格率というのは微妙と言えるのではないでしょうか?
ちなみに私が受験した平成29年度第1回の検定試験の東京の合格率が53%でした。このことから検定試験の合格率はほぼこの水準で推移していると思われます。
第三種冷凍機械責任者講習会の検定試験の合格率の理由
第三種冷凍機械責任者講習会の検定試験の全国平均合格率が60.6%という低さには次の3つの理由があります。
- 講習会を受ければ合格できるという甘い考えで受講する人が多いこと
- 都道府県により偏っている合格率から力を入れている各協会のスタンスに違いがあること
- 講師により講習の内容に偏りがあり、当たり外れがあること
私もでしたが第三種冷凍機械責任者の講習会を受講する人は、受講さえすれば検定試験で出題される問題を教えてくれると思っていたように思います。しかし、実際はあくまでもポイントを講義して重要項目にアンダーラインを引くように指示するだけでした。
また、講師により当たり外れがあり、受講する人によっても相性がありました。本当か嘘か、ネットなどでは何県では合格率が高いらしい、いい講師が来るらしいという話も散見されました。
検定試験の問題は公開されるのは最新の問題だけなので、過去問などを収録した過去問集は各都道府県の高圧ガス協会が発行して講習会で販売するものを購入するしかありません。
このことからも第三種冷凍機械責任者講習会の検定試験の難易度は国家試験と同程度だと言えると思われます。
いずれにせよ、第三種冷凍機械責任者講習の検定試験を受ける人は講習会で出るポイントを教えてもらえると思って受講するのは危険です。本番の国家試験を受験する心持ちで受講されることをおすすめします。
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まとめ
三種冷凍の講習会と言えば出席さえすれば検定試験の内容を教えてくれるという軽いイメージで受講したのですが、予想よりも大変だなと実感しました。ただ、講習会自体は検定試験の重要要点を教えてもらえるのは事実でありそれらをベースに勉強すれば合格に近づくと思います。
また、講習前に予備知識として参考書を一冊用意してざっくりと読んでおくことも重要です。
私は検定試験には何とか滑り込むことが出来ました、これで11月の国家試験に向けて弾みが付きました。私が受験した東京の検定合格率は約53%でした、高いか低いか何とも言えませんが国家試験とは別に試験のチャンスが増えるとも言えると思いますので受講料の15,700円の価値があると思われる方は受講されてみてはいかがでしょうか?