2018年6月に二級ボイラー技士試験の受験に千葉県五井の関東安全衛生センターに行ってきました。
二級ボイラー技士はビルメンテナンス(以下ビルメン)4点セット(第二種電気工事士、第三種冷凍機械責任者、危険物取扱者乙種4類)の一つです。
ボイラー技士の資格はビルメンではない私には全く無関係なのですが、第三種冷凍機械責任者の講習を受けてからこの際だからビルメン4点セットをコンプしてもいいのではないか?と思うようになりました。今回は二級ボイラー技士の資格について掘り下げてみようと思います。
Contents
二級ボイラー技士試験の勉強法とおすすめ参考書について
私が独学で二級ボイラー技士を取得した勉強法とは「いきなり問題に取り組む、問題実践暗記型勉強法です。」
この資格はテキストを一通り読んでから問題に取り組んでいく勉強法は確実ですが遠回りになります。
それは次のような理由があるからです。
- 出題されるパターンが決まっているので、テキストを読み込んでいくよりも出題パターンを暗記して対応する方が学習効率が良いこと。
- 計算問題がほとんど出題されないので覚える公式などもほとんどないこと。
基本的に過去問からの問題が非常に多い試験です。
ですから過去問の攻略がこの試験の最大の鍵です。
ただし、過去問そのままのパターンで覚えてしまうと用語の挿げ替えなどもあるのでその文章が正しいかどうかをしっかり理解する必要があります。
私の場合は、過去問を中心に勉強していきました。公開されている最新の問題(安全衛生技術試験協会のホームページ公開されています)から問題集の過去6回分を試験までに3周やりました。
安全衛生技術試験協会のホームページはこちら
これらの理由から、私は二級ボイラー技士試験にはいきなり問題を繰り返していくことで出題パターンを暗記していくという実践型学習法で臨み、合格することが出来ました。
私が実際に使用して合格できたテキストはコンデックス研究所「詳解2級ボイラー技士過去6回問題集」、U-CAN「ボイラー技士2級合格テキスト」の2冊です。
その理由が次の4点です。
- 最新過去問題が6回分収録されており、出題パターンを暗記することができる。
- 問題と解説が別冊になっており学習しやすいこと。
- テキストはイラストで図解されておりボイラーの構造などをイメージしやすいこと。
- 重要度がABCで分類されており覚えるポイントが分かりやすい。
試験問題は過去問と同じ問題や似た問題が出題されることが少なくないのでそういった問題を抑えておくといいかもしれません。
ボイラーの構造に関する知識について
ボイラーの種類、構造などの概要をつかんでおくことが重要な分野で、特に次の3点が重要です。
- 丸ボイラー、鋳鉄製ボイラー、水管ボイラー、炉筒煙管ボイラーなどの構造や特徴を理解しておくこと。
- 熱と蒸気の性質・特徴を理解して、熱の伝わり方の種類を抑えておくこと。
- 附属品・附属装置の種類・特徴を理解すること。
この分野はボイラーの知識の基本になるので、他の分野でも関連する知識となるので繰り返し過去問を解いて暗記していくことが重要です。
ボイラーの取扱いに関する知識について
ボイラーについての取扱いの知識、ボイラーへの点火、燃焼の維持・調節、運転中の障害とその対策、附属品・附属装置の取扱い、ボイラーの保全方法及び水処理の知識が問われる分野です。
中でも次の8点が重要です。
- ボイラーへの点火への点検・準備
- 油炊きボイラーの燃焼の維持・調節
- ボイラー水位の異常低下
- キャリオーバの特徴と発生条件
- 水面測定装置・水面計の見方
- 安全弁
- 自動制御装置
- 清缶剤
この分野についても過去問を繰り返し解いて暗記していくことが重要です。
燃料・燃焼に関する知識
この分野ではボイラーの燃料である液体燃料、気体燃料、固体燃料の特徴を理解することが重要です。次の4点が重要項目です。
- 液体・気体・固体燃料の特徴
- 液体・気体・固体燃料の燃焼方式
- 燃焼の基礎知識
- 自然通風と人工通風
この分野に関しては危険物取扱者乙種4類(乙4)の知識があるとかなりの部分を勉強しないで済みます。
二級ボイラー技士試験を受験する前に危険物取扱者乙種4類(乙4)試験を受けておくといいかもしれません。
過去問を中心に繰り返し問題に取り組み暗記していくことが大事です。
関係法令
以下の3点について出題されますが、範囲が狭い分野であり出題される項目が非常に限られているので覚えやすいと思います。
- 労働安全衛生法
- ボイラー及び圧力容器安全規則
- ボイラー構造規格
過去問に繰り返し取り組むのが重要です。
勉強は過去問中心がおすすめなのは確かですが、新傾向問題についても考える必要があります。
中には新傾向問題が出題され、その場合はほぼ答えられない状態になります。これらを防ぐために万全を期すにはテキストを読んでおく必要があります。
ただ、新傾向問題が複数出題されるパターンはそれほど考えられないため割り切って捨ててしまうのもアリです。
同じようにボイラー用語が親しみにくいのでそれらを把握するためにボイラー図鑑を読んでおく、あるいはボイラー実技講習を事前に受けておくのも一つの手段だと思います。
また、各選択肢の正解、不正解についての解説をよく読み、覚えることが大事です。
それぞれをまとめると
- 過去問が中心に出題されるので過去問題集を3回やるとよい
- 過去問そのままの問題は出ないので、正解、不正解のパターンを覚えること
- 新傾向問題や計算問題は捨てても可
- ボイラーの構造などに親しむためにボイラ実技講習を受けてみる
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おすすめの参考書
詳解 2級ボイラー技士過去6回問題集がおすすめ
私はこの本を3周やりました。
詳解 2級ボイラー技士 過去6回問題集をおすすめする理由は次の3点です。
- 解説部分を切り離すことが出来るので問題をやりながら解説を読み込みやすい
- 問題に対して解説も詳細に書かれているので学習しやすい
- 各選択肢で正解の部分についても解説されているため正解、不正解の選択肢の部分を読み込むことが出来る
一発合格! これならわかる 2級ボイラー技士試験 テキスト&問題集 第2版がおすすめ
問題集の解説用にこの本も購入しました。
イラストや解説が分かりやすくこの本を読み込むことで合格に近づくことが出来ると思います。
私の場合は、この本を読む時間がなくて結果的には問題集のみで試験に臨む形になってしまったのがちょっと残念でした。
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SATの2級ボイラー技士講座もおすすめ!
2級ボイラー技士を最短で取得したい方には、SATの「2級ボイラー技士講座」もおすすめです
その理由は以下の4点です。
- テキストはカラーで合格に効率的なページ数で分かりやすく学習出来ること
- 講義DVD(動画)を見て勉強のポイントを自宅で理解しやすく学習できること
- Eラーニングシステムで学習の進捗度を確認しながら学習を進められること
- 原田メソッドでモチベーションをコントロールしながら学習を進めていくことができること
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東京方面の人が五井の関東安全衛生センターに行くには
私は東京在住ですがこの会場に行くのにどういう交通手段で行くか調べてみたところ、電車で行くか車で行くかというルートで行けることが分かりました。ちなみに関東安全衛生センターの隣にゴルフ場があり、素晴らしい環境の中にある施設です。
1.電車で行く
新宿駅から中央線→京葉線→内房線で五井駅まで行き、バス(350円)又は乗り合いタクシー(600円)で行くというルートです。
一般的にはこのルートが最も早く着き、交通費も安く最適だと思います。
ただ、乗り換えが多く疲れるルートでもあると言えます。
また、バスのダイヤに乗り遅れると待ち時間があるということが問題かもしれません。
ちなみに新宿→五井まで電車で行った場合には972円です。(SUICAの場合)
2.高速バスで行く
新宿駅から高速バスで五井まで行くルートです。
高速バスに乗ることさえ出来れば席に座って行くことが出来るので疲労も少ない。しかし、渋滞に捕まる可能性もあり、試験時間に間に合わないこともありえます。
また、帰りに高速バスで乗る場合には時刻表の時間によっては現地で時間を潰すことが必要となるかもしれません。
ちなみに高速バスはSUICAも使えて割引も効くのでSUICAの利用がおすすめです。
新宿→五井までの高速バスで行った場合には1,230円です。(SUICAの場合)
五井駅の駅前に到着するので五井駅からのルートは電車と同じになります。
五井駅に着いたら
駅の出口から写真の通り東口(山側)に出ます。
この看板を目印に階段を降ります。
乗り合いタクシーの場合もバスの場合も同じ方向です。
バス停は東口3番バス乗り場「関東安全衛生技術センター」行き直通バスが運行されます。(360円)
ただし、試験開催日のみ運行されます。普段は運行していません。
同じ場所から乗り合いタクシーも運行されます。(600円)
3.車で行く
車で行くルートです。
関東安全衛生センターには駐車場があり車で行くことが出来ます。
ただ、高速バスと同じく渋滞に捕まる可能性もあり確実とは言えません。
ちなみに私は車で行きました、平日水曜日だったので当日雨でしたが渋滞もなく順調に到着しました。
東京から高速道路でしたが1時間ちょっとで行くことが出来ました。少し時間に余裕があったので車で仮眠を取りました。
新宿→市原ICまで車で行った場合、高速料金は2,100円です。(ETCの場合)
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ボイラー実技講習について
二級ボイラー試験を合格すれば資格が取得出来るわけではなく、実務経験が必要な資格となっています。
ただ、実務経験がなくてもボイラー実技講習を受講することで実務経験とできます。このボイラー実技講習は二級ボイラー技士試験の受験の前でも後でも実務経験として認められています。
ボイラー実技講習会は平日連続3日間開催なのでこの日程に受講できるということが意外にハードルが高いように思います。
普通の会社員の方などはなかなか受講できないのではないでしょうか?ちなみに私は仕事を休んでこの実技講習会を、ボイラー試験を受ける前に受講することにしました。
ボイラー実技講習の料金
ボイラー実技講習の料金は24,460円(教材費込)でした、高いと思います。
教材
- ボイラー実技テキスト
- ボイラー図鑑
この教材は3日間のうちの座学講習でどちらも端から端まで講義されます。
ボイラー実技講習の内容
ボイラー講習会は、東京都港区新橋5-3-1 JBAビル2階の日本ボイラー協会東京支部のビルで行われました。
このビルでは3つのボイラーが稼働しており、空調などもボイラーを利用しているとのことでした。
私が受講した講習会は20代から50代までの幅広い年代で男性が中心、女性も数名いました。
この講習会は必ず全ての講習を受ける必要があり、遅刻や早退は厳禁です。私の回では遅刻も早退もいませんでした。
1〜2日目
1日、2日目は座学の講習会です。熱や蒸気の概念、ボイラーの種類や構造から附属設備、自動制御など、ボイラーの取扱いに関する知識、燃料、燃焼に関する知識までをテキストを用いて講義されます。基本的にはパワーポイントのスライドを使用した講義で分かりやすいものでした。
また、講義をしていた講師がおっしゃっていましたがボイラー技士の資格は危険物取扱者乙種4類の資格と相性が良いそうで、ボイラーの燃料が重油を使用していることが多いことでこの燃料の取扱資格である乙4を所持していることが求められることが多いのでボイラーの資格を取得したら乙4の資格の取得もおすすめとのこと。
ボイラーの構造やボイラーに関する用語に関してはこの講習会を事前に受講することで理解できることがありますので、二級ボイラー技士試験を受ける前に受講しておくとよいです。
3日目
日本ボイラー協会ビルの地下にある鋳鉄製ボイラー、丸ボイラーなどを使用した実技講習になります。実際に稼働しているボイラーの検水コックを操作して水位の確認及び蒸気を噴出させるという実習を講習者全員が行うという形でした。
また、パソコンのボイラーシミュレーションソフトでボイラーに点火・消火を行うシミュレートする実習もあり座学講習と比較するとボイラーに対するイメージを捉えやすいと思います。実際の試験でもこういった操作についての問題も出題されるので実習した内容を頭の中でイメージすることも一つの方法です。
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二級ボイラー技士とは?
ボイラー(簡易ボイラー、小型ボイラー及び小規模ボイラーを除く。)の取扱い業務に就業するにはボイラー技士免許が必要とのことです。
ボイラー技士免許には、以下の三種類の免許があります。
級の区分に関係なく、全てのボイラーを取扱うことができますが、ボイラー取扱い作業の指揮・管理を行うボイラー取扱作業主任者になるには、ボイラーの規模により必要な免許が異なります。また、ボイラー技士免許は無期限有効です。
特級ボイラー技士
一級ボイラー技士
二級ボイラー技士級の区分に関係なく、全てのボイラーを取扱うことができます。
しかし、ボイラー取扱い作業の指揮・管理を行うボイラー取扱作業主任者になるには、ボイラーの規模により必要な免許が異なるようです。
また、ボイラー技士免許は無期限有効とのことです。
一般社団法人日本ボイラー協会
噂では夢の国で煙を吐く乗り物でも必要な資格らしく求人があるらしいです。
ただ、最近はボイラー資格がなくても運用できる貫流ボイラーが主流になってきておりこの資格の存在意義が薄れつつあるのも事実となってきております。
ただ、ビルメンや設備管理などではこの資格を取得していることが求められる人材の一つではあるとも言え、資格手当を設定している会社も多いと思います。
私の場合は仕事に直接関係ないとはいえ、昔からボイラーの資格を持っていたら食いっぱぐれないと言われていました。
ただ、実務経験が必要と言われていて何となくそのハードルが高くて敬遠していたイメージが私にはありました。
ところが調べてみると実務経験というものはボイラー実技講習という講習会に受講すれば、それに替えることが出来るということが分かりました。
それならということで二級ボイラー技士を受けてみようと思った理由でした。
二級ボイラー技士試験科目と足切り点
ボイラーの構造(構造) | 10問 |
ボイラーの取扱い(取扱) | 10問 |
燃料及び燃焼(燃焼) | 10問 |
関係法令(法令) | 10問 |
二級ボイラー技士試験は各4科目合計40問で出題されます、このうち60%得点出来れば合格です。
ただし、この中で注意する必要があるのが40%の足切り点の存在です。
この中の科目のどれでも40%の得点を下回った場合には不合格となってしまうので要注意です。
どちらかというと60%の得点を下回って不合格になったというよりも各科目の40%を下回って不合格になったパターンの人の方が多いと思います。
二級ボイラー技士試験の難易度と受験資格
合格率を見ても分かるように、この資格試験自体は難しいものではありません。
試験日も多く、受験自体はしやすい資格だと思います。
この資格で難易度が高いと言えるのが、実務経験の手段であるボイラー実技講習の受講と関東方面の方なら試験会場である関東安全衛生センターに辿り着くということかもしれません。
また、最近は難化傾向になっているそうで真面目に勉強しないと落ちる試験でもあることを覚えておいた方がよいかもしれません。
受験者数 合格者数 合格率(%) 平成29年度 27,393 15,609 57.0 平成28年度 27,211 15,919 58.5 平成27年度 28,060 16,935 60.4 平成26年度 29,965 17,056 56.9 平成25年度 32,634 18,927 58.0 引用:公益財団法人安全衛生技術試験協会
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二級ボイラー技士 の求人
二級ボイラー技士の資格を取得すると設備管理の業種を中心にメンテナンス関連の仕事に就くことが出来ます。ビルメンテナンスの設備員の仕事です。
求人状況について
indeedなどの求人サイトで二級ボイラー技士で検索すると全国で1,215件がヒットします。
二級ボイラー技士だけの資格でも求人はありますが、出来れば電気工事士などビルメン4点セットの資格を取得すると求人が更に多くなります。
ぜひ併せて取得することをおすすめします。
二級ボイラー技士の年収は?
求人サイトの情報を見ると工事担任者の平均年収は380〜450万円ぐらいが多いようです。電気工事士などの資格を併せて取得すると更に年収を上げることが出来ます。
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まとめ
二級ボイラー技士の資格を取得すると次のようなメリットがあります。
- ボイラー設備の専門家としての知識の証明になる。
- ビルメンなどの需要があり、定年後の就職などに有利。
- ビル管理士などの上位資格の学習分野とかぶる部分があるので知識の蓄積になる。
この資格は取り組みやすい資格なので気軽に受けることが出来る資格です。
基本的には暗記が中心ですので過去問を攻略することがこの資格試験の鍵だと思います。
新傾向問題や計算問題に関しては余裕があったら取り組むという姿勢で十分です。しかし、最近は難化傾向になってきているので気を抜かず万全を期した学習が求められます。
試験についてはもちろんですが、この資格取得のハードルが試験会場へ行きつくこと、実技講習会に出席することだと思います。この両方を満たすことが社会人にとっては大きな障害のように思います。
しかし、それらを超えて資格取得に至った際の達成感を味わうことが出来たのは自分にとって良い経験でした。
私はこの資格を仕事に生かせるのか微妙ですがいつかこの資格を取得したよかったと言える展開が行えたら嬉しいです。