1級電気工事施工管理技士試験を合格して2年経ちました。
1級電気工事施工管理技士はほぼ1年がかりで取得する資格です。
そろそろ今の時期が筆記試験の合格発表があり、実地試験に向けて勉強を開始する時期なのではないかと思います。
この1級電気工事施工管理技士試験に限らず、施工管理技士試験全般に言えることですが特徴的と言えるのが実地試験の存在だと思います。
実地試験は全てが記述式で出題され、筆記試験のようにマークシートではなく回答者が答えを記述する必要があります。
今回は1級電気工事施工管理技士の実地試験の中でも最も重要と言える分野である「電気工事の施工経験記述」について掘り下げたいと思います。
Contents
1級電気工事施工管理技士実地試験の最も重要な分野について
実地試験は筆記試験とは違い、全体で60%の得点をすれば合格ということではなく例え他の部分の出来が100点でもある部分の回答が適切でない場合には一発アウトで不合格になる可能性のある試験です。
このある部分というのが「電気工事の施工経験記述」です。
つまり1級電気工事施工管理技士の実地問題で最も重要な設問は間違いなく「電気工事の施工経験記述」だと言えます。
その理由は以下の3点です
- 施工経験記述の配点の割合が非常に大きく内容次第で一発不合格になること
- 採点者が恐らく実務経験者が採点しており、実務にかけ離れた数値、単位などを記述した場合にはほぼ不合格になっていること
- この施工経験記述については他人のコピーや参考書の使い回し等の小細工は通用しないこと
上記の通り、この施工経験記述の内容が参考書のコピーや他人の使い回しと判断された場合は即不合格だと思いますので、合格を目指すのであればこの施工経験記述を事前に仕上げておくことをオススメします。
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実地試験に向けて最初に取り組むべきは?
私が予想する2019年度の1級電気工事施工管理技士実地試験の施工経験記述で取り組むべき順番は次の4点です
- あなたの経験した電気工事について
- あなたの現場経験においての工程管理の問題
- あなたの現場経験においての品質管理の問題
- あなたの現場経験においての安全管理の問題
取り組むべき順番には次の2点の理由があります。
- 問1の「経験した電気工事」は毎回必須とも言える問題であること
- 問2・問3の「工程・品質・安全管理」の順序は1級電気工事施工管理技士の出題傾向であること
この理由です、これらについては後述します。
私が独学で1級電気工事施工管理技士実地試験を合格したおすすめ参考書は?
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GET研究所 分野別問題解説集 1級電気工事施工管理実地試験 (スーパーテキストシリーズ)
学科と同じ出版社の本ですがこの本を中心に学習を進めていきました。地域開発研究所のテキストと比較すると予想精選問題や出題傾向予想など記述されており合格に向けた学習がしやすいことがこの本がオススメ出来るポイントだと思います。
ただ、誤植が非常に多くミスがあることに気をつける必要があります。
私の場合はホームページを確認して誤植の正誤表を印刷して使用しました。とは言え、2回の予想精選問題では試験問題の傾向をピタリと当てており誤植の多さを差し引きしてもこの本を中心に進めていけば合格に近づくと思います。
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地域開発研究所 1級電気工事施工管理技術検定実地試験問題解説集
この本が電気工事施工管理技士の教育機関ではほとんどがテキストとして採用されています。施工経験記述の書き方のポイントや膨らませるアイディアなどが収録されており自分で書く内容に困ってる人にはありがたい内容だと思います。
また、安全対策や工程管理、技術的用語などが簡潔に記述されておりヤマを張る傾向のあるスーパーテキストと比べると全てを収録するといった感じです。
私の場合、安全対策、技術用語を覚えるのにスーパーテキストでは厳しかったのでこの本で覚えるポイントをまとめて自分なりの解釈という見地で覚えるようにしました。
SATの電気工事施工管理技士講座もおすすめ!
1級電気工事施工管理技士を最短で取得したい方には、SATの「1級電気工事施工管理技士講座」もおすすめです
その理由は以下の4点です。
- テキストはカラーで合格に効率的なページ数で分かりやすく学習出来ること
- 講義DVD(動画)を見て勉強のポイントを自宅で理解しやすく学習できること
- 実地試験のキモである施工経験記述の添削を行ってもらえること
- Eラーニングシステムで学習の進捗度を確認しながら学習を進められること
- 原田メソッドでモチベーションをコントロールしながら学習を進めていくことができること
施工経験記述添削のすすめ
この1級電気工事施工管理技士実地試験では最も重要なのがこの施工経験記述についてですが、自分一人で書いた施工経験記述では必ず問題点があると思います。
この問題点を第三者に見てもらい、指摘してもらった上で自分の施工経験記述を完成するという形にした方が合格に近づきます。
地域開発研究所の1級電気工事施工管理技士実地試験の試験対策講座では早期特典で、GET研究所のスーパーテキストシリーズの有料施工経験記述添削講座では1通3,500円で施工経験記述を添削してもらえます。
また、SATの1級電気工事施工管理技士講座でも添削サービスを行ってくれますのでおすすめです。
これらの添削講座を受けることを是非オススメします。
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どうしてもダメなら作文代行サービスを使う
自分の施工経験記述に自信がない人や満足できる施工経験記述が完成出来ないという人には
独学サポート事務局というところが施工経験記述を作ってくれる
作文代行サービスというものを行っています。
このサービスは自分の施工経験記述をベースに作文を代行してくれるのはもちろんですが
ゼロベースから施工経験記述の作文作成を代行してくれるそうです。
問1 あなたの経験した電気工事について
1番最初に取り組むべきは必須問題(問題1)と言える、「あなたの経験した電気工事」についてです。
この問題は毎年必ず出題される問題ですので、本番でもスラスラ書けるように仕上げておきましょう。
この電気工事については
- 実際に経験した最近の工事をベースにした方がよい
- 受験資格と認められる電気工事に該当する工事を選ぶこと
- 逆に受験資格と認められない電気工事を選ばない
上記の3点について注意する必要があります。
工事内容について
工事内容については以下の通り出題されます
- 工事名
- 工事場所
- 電気工事の概要(請負金額/概要)
- 工期この電気工事でのあなたの立場
- あなたが担当した業務の内容
工事内容について
上記の通り、試験本番で詳細に工事内容を記述できるように準備しておくとよいです
この中で注意する点は、工事内容に整合性があることです。
この整合性のない内容や規模(金額)の工事だった場合には採点者に見破られる恐れがあります。
問2/問3 工程管理・品質管理・安全管理について
1級電気工事施工管理技士の実地試験の場合は、大きく分けると「安全管理」、「工程管理」、「品質管理」の3つに分けられます。
この中で出題されるパターンが「安全管理」と「工程管理・品質管理」のセットになっています。
1級電気工事施工管理技士の実地試験ではこの2パターンで出題されており、奇数年が「工程・品質管理」、偶数年が「安全管理」で出題されています。
このため、今年(2019年)は「工程・品質管理」問題が出題される可能性が高いと思われますが、念の為「安全管理」が出題されても対応出来るように原稿を仕上げておく方がよいです。
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留意事項と理由、処置と対策について
留意事項と理由、処置と対策について次の5点について注意すると良いです
- 工程・品質・安全管理ともにテーマ(ストーリー)を設定し、それに沿った説得力のある管理の実例を上げること
- 抽象的な表現ではなく、具体的な数字、実例を上げること
- 上げた事例(トラブル)が失敗例になってはダメ、解決することで成功例になること
- 指定されている枠内に文章を収めて書くこと、行が空くのはOK、はみ出すと減点になる
- 誤字脱字に注意する(例:○現場主任→x現場主人など)
この留意事項で重要なことは自分なりのテーマ(ストーリー)を設定することです。
留意事項のテーマ(ストーリー)とは?
工程管理 | 工期・時間に関する管理 |
品質管理 | 物品・機材に関する管理 |
安全管理 | 労 働 者に関する管理 |
これらに関する管理について留意事項→理由→処置(対策)というようにテーマ(ストーリー)を組み立てて考えます。
このテーマ(ストーリー)については例えば工程管理の場合は
留意事項 | 理 由 | 処置(対策) |
機材の納入遅れに留意した | 工期の遅れが発生するため | 発注先に連絡し納期を確定 |
他工事工期遅延に留意した | 先行工事遅延の影響のため | 並行作業に工法を変更した |
このように箇条書き(枠が狭いので簡単に書きましたが実際はもっと詳細に書いておく必要があります)にして事前に回答する内容を準備しておくとよいです。
この箇条書きから実際の工事でテーマ(ストーリー)が頭の中で想像出来るようになればかなり学習が進んできた証拠だと思います。
また、この留意事項については1件あたり処置を4件(違った視点で取った方策)ぐらい書けるようにしておきましょう。
この処置(対策)は数値や単位をしっかり使った説得力のあるものにした方がよいです。(抽象的な処置では改善できなかったと判断されかねない)
工程管理とは?
工程管理は主に工期や時間に関する留意事項(問題)が発生するもので、その問題が発生した理由を上げ、それに対する処置(対策)を記述します。
この工程管理では工程上の問題で工期が前倒しになった場合に、監督と相談して工期を延長したといった対策は成功エピソードにならないので書かない方がよいと思います。
工程管理で発生する問題の原因
- 外工事の工程の遅れによる工期が前倒しになる
- 工事の設計変更による遅れ
- 天候不順による遅れ
- 発注者の要望による工事変更による遅れ
工程管理で発生する問題に関しては上記のような原因(理由)が考えられます。
工程管理で取る処置(対策)
- 工事(工法)の効率化を図る(ユニット化など)
- 同時工事・並行工事など効率を図る
- 作業員の増員を図る
- 作業時間を増やす
工程管理で取る処置(対策)は主に上記のようなことが考えられます。
品質管理とは?
品質管理は主に物品・機材に関する留意事項(問題)が発生するもので、それが発生した理由を上げ、これに対する処置(対策)を記述します。
ここでいう品質とは製品品質と施工品質の両方の意味が考えられます。
自分が実際に工事を行った際に行った方策(例えば、施工完了後に動作確認の検査や製品が汚れないように養生するなど)を思い出して記述するとイメージしやすいと思います。
品質管理で発生する問題の原因
- 機材(物品)の保管時の品質(汚れ・破損など)
- 機材(物品)の性能条件(設計通り動作するか)
- 機材(物品)の耐震・防水性能の確保
- 接地工事など機材(物品)の保全管理
工程管理で取る処置(対策)
- 製品が汚損・破損しないよう防護・養生した
- チェックリストを作成して機材(物品)の点検・管理を行う
- 機材(物品)を床置きしボルト止めする
- 接続する機器の絶縁抵抗値、離隔距離の測定を行う
安全管理とは?
安全管理は主に労働者(人)に関する留意事項(問題)が発生するもので、それが発生した理由を上げ、これに対する処置(対策)を記述します。
ここでは労働者(人)は自分のことではないということに注意する必要があります。
また、労働者以外の第三者に関してもこの安全管理の対象になります。
安全管理で発生する問題の原因
- 墜落災害
- 飛来・落下災害
- 感電災害
- 酸素欠乏症
安全管理で取る処置(対策)
- 安全帯の着用と防網の設置
- 上下作業の禁止・立入禁止
- 充電部分に立ち入らないよう囲いを設置する
- 酸素欠乏危険作業主任者の設置
上記のような処置(対策)を取ると効果的だと思います。
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まとめ
1級電気工事施工管理技士の実地試験では最重要と言える施工経験記述について掘り下げましたがボリュームある内容だけにやはり一筋縄では行かないと改めて感じました。
しかし、工事内容や工程・品質管理、安全管理について事前に準備をしておくことで十分対応可能であるとも思います。
この施工経験記述を攻略した者が1級電気工事施工管理技士の資格を取得出来ると言っても過言ではありません。
この記事を参考にして頂いて1級電気工事施工管理技士の実地試験に望んで頂ければ嬉しいです。