電気の資格というと電気工事士や電験(電気主任技術者)が有名ですが、電気工事施工管理技士はあまり知られていないかもしれません。
しかし、電気工事施工管理技士の資格は知られていませんが、建設業や電気工事業ではセコカンと称される取得すれば自身の仕事やキャリアアップに活かせる資格です。
特に、電気工事施工管理技士はセコカンとの通称から親しまれており、有資格者は建設業界から重宝される資格です。 今回は、2級電気工事施工管理技士の資格について掘り下げていきたいと思います。
Contents
独学で2級電気工事施工管理技士を取得する勉強法とは?
私がオススメする独学で2級電気工事施工管理技士を取得する勉強法とは「いきなり過去問の演習に取り組む、問題実践暗記型勉強法です。」
2級電気工事施工管理技士の場合は、テキストを一通り読んでから問題に取り組むことは遠回りになります。
それは次のような理由があるからです。
- 電気工事施工管理技士の試験範囲が非常に広いこと。
- 電気工学・電気設備、関連分野、工事施工、施工管理法、法規といった分野で電気の知識が必要とされ、それらに関する参考書だけでかなりのボリュームになり時間が足りなくなること。
- 電気工事施工管理技士全般に言えるが出題されるパターンが決まっているので、過去問主体で学習を進めたほうが効率が良いこと。
これらの理由から、2級電気工事施工管理技士試験にはいきなり過去問を繰り返していくことで出題パターンや頻出項目を暗記していくという実践型学習法で臨み、合格することをオススメ致します。
2級電気工事施工管理技士の学科試験について
学科試験は大きく電気工学、施工管理法、法規の3つに分かれており出題範囲が広く、全てを網羅して勉強する必要はないので全部で64問中40問を選択して回答して24問以上正答すれば合格です、自分の回答出来る問題だけ選択して回答していけばよいです。
施工管理技士試験全般に言えることですが自分の得意分野をどれだけ増やしておくかということが得点に繋がってその合計が合格点に達してくるかということがこの試験です。 苦手分野があっても気にせず、得意分野でカバーしていくという気持ちで臨めば十分合格に繋がってくるのがこの資格試験だと思います。
おすすめの学習スタイル
地域開発研究所などの講習会が出題ポイントを抑えたもので効率的だと思いますが、この記事では独学の視点で書いていきたいと思います。 基本的には過去問題を重点的に勉強していくことがおすすめ、出来れば参考書も用意して学習に臨むと良いです。(過去問をやり、分からなければ参考書を読むスタイル)
ただ、時間のない方は過去問題集だけでも合格出来ます。地域開発研究所は10年間過去問が収録されており、繰り返し学習することで合格点に近づけることが出来ると思います。
学科については過去問を中心に勉強していくのが一番効果的です。過去問を3周ぐらいやって合格点を目指すようなイメージです。 特に電気工事施工管理技士の試験問題の場合は比較的類似問題が出題されることが多いので過去問題を中心に重要項目を覚えていくと良いです。
また、計算問題が苦手な方は捨ててしまうという選択をされる方もいらっしゃると思いますが点数を確実に取れる部分でもあるのでしっかりとやっておくと合格に近づけると思われます。
電気設備の選択問題に関しては電車線、その他の分野といった直接電気工事を関係ない分野がとっつきづらいように感じられますがこういった分野についても過去問題をやっておいてその部分を覚えておけば試験問題で出題されたときに回答出来る可能性があるので選択問題については不得意部分も念の為やっておくことをおすすめします。
こういった地道な努力で合格点への上積みを得られるように思います。
オススメの使用テキストは地域開発研究所の2級電気工事施工管理技術検定試験問題解説集録版と、弘文社のわかりやすい!2級電気工事施工管理学科・実地、可能であれば地域開発研究所の電気工事施工管理技術テキストです。
この3冊を選んだ理由は次の4点です。
- 問題解説集録版は過去10年間の出題問題が収録されており、出題傾向が掴みやすいこと
- この資格試験については過去問の反復学習が効果的であること
- 学科・実地の両方共収録されており、両方受験する人には学習しやすいこと
- 電気工事施工管理技術テキストは問題解説集録版で足りない知識を補うことが出来ること
独学で2級電気工事施工管理技士を取得するおすすめ参考書は?
2級電気工事施工管理技術検定試験問題解説集録版
この本の出版社では講習会も行っておりこの講習会の内容は試験問題での出題傾向をしっかり捉えたものでありおすすめです。
問題は年度別で編集されているので、この試験の場合は前年度に出題された問題は出ないという傾向があり、あえて前年度の問題は学習しないという判断をするのも合格に近づけるコツであり、この本で学習する意義があるといえます。
分野別に勉強を勧めていきたい人には地域開発研究所から分野別問題集も発売されているのでこちらを学習するのもいいと思います。
わかりやすい!2級電気工事施工管理学科・実地
過去問題を分析しており、出題される部分だけを収録されており、学習しやすいと思います。 地域開発研究所の電気工事施工管理技術テキストだと解説が難しいという方にはこちらの方をオススメします。
電気工事施工管理技術テキスト 【改訂第4版】
この出版社の講習会ではこの本がテキストとして使われているようで他の講習会でもテキストとされているところも多いようです。
この試験の場合は過去問を中心にやっていく方が効率的ですが用語解説や補足などこのテキストを併用すると効果的です。 この本がなくても合格を目指すことは可能だと思いますので余裕がある方は万全を期して購入することもアリです。
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ヤフオクやメルカリで中古品が売っていないか探してみました。
地域開発研究所の2級電気工事施工管理技術検定問題集録版が1,300円で出品されていました。
よろしければ参考にされてみて下さい。
ただし、あまり古いものは情報も古いため役に立ちません。
出来るだけ新しいものを買うことをおすすめします。
SATの電気工事施工管理技士講座もおすすめ!
2級電気工事施工管理技士を最短で取得したい方には、SATの「2級電気工事施工管理技士講座」もおすすめです その理由は以下の4点です。
- テキストはカラーで合格に効率的なページ数で分かりやすく学習出来ること
- 講義DVD(動画)を見て勉強のポイントを自宅で理解しやすく学習できること
- Eラーニングシステムで学習の進捗度を確認しながら学習を進められること
- 原田メソッドでモチベーションをコントロールしながら学習を進めていくことができること
こちらはSATの1級電気工事施工管理技士の講座について取り上げた記事ですが、よろしければ参考にしてみて下さい。
2級電気工事施工管理技士の学科試験の出題傾向とは?
2級電気工事施工管理技士の学科試験の出題傾向は次の通りです。
電気工学について(12問のうち8問を選択)
この分野は電気理論、電気機器、電力系統、電気応用といった内容ですが12問のうちの5~7問は電気理論を中心とした計算問題です。
計算問題は第二種電気工事士レベル+アルファの問題と考えてよく、確実に点数を積み上げることが出来るのでこの資格に挑戦する方は是非取り組んだ方がよいです。
ただ、計算問題を捨てても他の分野で得点すれば十分合格点まで行けますので、どうしても苦手であれば割り切って選択しないのもアリだと思います。(もちろん計算問題以外の問題は出来るだけ正解した方が良いです)
重要度★★★★★
電気設備について(20問のうち11問を選択)
この分野は発電、変電、送配電、構内電気、電車、電気通信、その他といった内容。
電気の発電から送配電設備、電気を消費するまでの一連の過程が出題されます。
非常に広い学習範囲になるので自分の得意分野を出来るだけ作っておくことが合格への近道だと思います。
重要度★★★★★
関連分野について(6問のうち3問を選択)
この分野は土木・建築という電気工事とは関連がないため身近に感じないので学習しづらい分野だと思います。 ただ、学習範囲が狭いとも言えるのでしっかりと学習しておくことで得点の上積みが得られる分野です。
重要度★★★☆☆
設計・契約関係について(1問題のうち1問を必須)
この分野は図記号が主に出題されるので、こちらをしっかりと学習した方がいいです。 図記号については必須問題となっているので取りこぼすことのないようにしっかりと覚えておくと良いです。 ただ、1問ですので敢えて捨てて他の分野を学習していくという選択肢もアリだと思います。
重要度★★☆☆☆
施工管理法について(13問のうち9問選択)
工事施工の問題については自分の仕事に関連した身近に感じる分野を中心に得意分野を作っておくと良いです。 逆にあまり身近に感じない分野については敢えて無視して選択していくのもアリです。 ヒストグラム、パレート図、特性要因図など違いを理解しておくこと。労働安全衛生法の問題はパターンが決まっているので過去問を覚えたらいいです。
重要度★★★★☆
法規について(12問のうち8問を選択)
建設業法、電気事業法、電気法規、建築基準法、消防法、労働安全衛生法、労働基準法その他法規ですが、12問中8問とほぼ必須に近い問題です。ただ、これらの法規を網羅する学習は非効率と言えるので過去問中心に(というか過去問だけやればいいです)出題パターンを掴む学習していくことをおすすめします。
重要度★★★★☆
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電気工事施工管理技士とは?
電気工事施工管理技士(でんきこうじせこうかんりぎし)は、施工管理技士国家資格のうちの1つ。国土交通省管轄。施工管理技士の区分は1級、2級であるので表記に注意する必要がある。(建築士は「一級建築士、二級建築士及び木造建築士をいう」と定義されており、アラビア数字ではない。) 国家試験は年1回実施される(実施は一般財団法人建設業振興基金)。 引用:電気工事施工管理技士 – Wikipedia
電気工事施工管理技士には1級、2級があり2級は一般建設業の専任技術者、1級は特定建設業の専任技術者、監理技術者になれます。
一般建設業は4,000万未満、特定建設業は6,000万以上の工事が受注出来ます。建設業、電気工事業の関係者では所持者が重宝される資格です。
受験資格
学歴や実務経験などの受験資格がありますが電気工事士有資格者は比較的短い期間で受験することが出来ると思います。特に第一種電気工事士有資格者は実務経験が必要がないのですぐに受験可能です。
難易度
難易度は以下の通り、国家資格の中では高いとも低いとも言えません。一般的には難易度はしっかり勉強すれば独学で合格できるレベルだと思います。勉強時間は2~3ヶ月ぐらい見て取り組むといいです。
引用:http://www.sekokan.xii.jp/s_ritu.html
1級 2級 学 科 実 地 学 科 実 地 令和元年 40.7% 66.3% 58.7% 45.4% 平成30年 56.1% 73.7% 65.9% 57.4% 平成29年 48.0% 62.5% 62.8% 40.0% 平成28年 46.0% 69.1% 58.7% 41.6% 平成27年 45.1% 63.4% 55.2% 40.4%
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2級電気工事施工管理技士の求人は?
indeedなどの求人情報サイトで2級電気工事施工管理技士を検索すると全国で14,787件がヒットします。この資格だけでも求人が多いことから2級電気工事施工管理技士の有資格者が求められていることが分かります。
その理由は次の2点です。
- 電気工事施工管理技士が不足しているため求人が多いということ
- 建設業界全般に言えることですが60歳定年で人材が減少してしまうことが分かっていること
リクナビNEXTの求人情報はこちら
indeedの求人情報はこちら
Yahoo!Japanしごと検索はこちら
2級電気工事施工管理技士の年収は?
求人サイトの情報を見ると2級電気工事施工管理技士の平均年収は400〜550万円ぐらいが多いようです。有資格者を求められることから年収も比較的高いと言えるのではないでしょうか?
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まとめ
この資格は電気工事業、建設業の登録要件として指定されている資格の一つであり優遇される資格でもあると思います。
また、東京オリンピックに向けて建設ラッシュが続いていることがこの資格者の需要を表しているとも言えます。
取得して損のない資格だと思いますのでチャレンジしてみてはいかがでしょうか?